傾聴記録1:僕が関わる人には、自信というか、自覚を持ってもらいたいんです。

神奈川県在住。23歳。男性の傾聴抜粋

幸福な子ども時代

幼稚園の時、人間関係もコミュニケーションも、一回も困ったことはなくて、すぐ、友達ができて、いつも、僕の周りに来るんですね。お母さんたちが、うちの子がどうしても僕と遊びたいので、幼稚園終わった後、遊んでくれないかと誘われるのが毎日で。友達もいっぱいいるし、園長先生もすごいいい人で、幼稚園がすごく楽しみで、いつも一番に行くんです。僕の家から幼稚園まで行く途中、川沿いを歩いていくと、自然に触れ合うことが一杯できたんです。

(そのあとも)なんかクラスのムードメーカーになってて、それで中学2年生までは、幼稚園の次くらいにすごい楽しかったんです。

暗転した高校時代

(中3の)ある時にその、一人の生徒から、万引きをしてくれっていう風に言われて、お菓子とかですかね、僕断ったんですよ。そしたら、お前乗り悪いじゃん、みたいな風に言われて、それからちょっと、いじめというか、クラスの全員、僕のことを無視するようになって。教室入ってもみんな話しかけてこないですし、その子はリーダー的な感じで、その子が教室で機嫌悪いと、クラスみんなシンとなっちゃうんですよ。

それで高校生になるときに、もういじめられたくない、なめられたくないっていう風に思って、それで金髪にしたりして、見た目をガラッと変えて、とりあえずその、喧嘩売られないような見た目にしたんです。そしたら、地元の悪の先輩たちと、ちょっと仲良くなっちゃってて。

本当だったら、そういうヤンキーみたいな世界じゃなくて、普通の平和な世界で生活したかったんです。中3の時は一応、平和な生活の所にはいたんですけど、結局いじめられてたので、高校生になって、平和な世界に行っても、また同じことになると思って。いっそ自分が見た目こわくなればいじめられないという風に思って、それで気づいたら悪い世界にだんだんだんだん落ちてって。

バイトしてた時は、仕事の失敗とかして、上司の人から、これはこうしてくださいっていう風に言われるじゃないですか、僕、それが凄い腹立っちゃって、舌打ちしちゃうんですよ、いろんな人から指示されると。会社自体では僕のことはもう最悪の印象で、おまけに107kgあったんで、邪魔だろうっていう。

(高校で)みんなの前で立たされて怒られるっていうのはいままでなくて。それがすっごく恥ずかしくて、腹立って、校長先生に舌打ちしたんですよ。舌打ちしたら、君の今までの世界では舌打ちして箔がついたかもしれないけど、ここではそうはいかないって。みんなの前でバシッて言われて、それで教室飛び出て。その後、先生たちも、積極的に話しかけてくれるようになって。はい。翌日も行きました。

転機:感謝される味

一人の生徒から、優しいねっていう風に、言われるようになって、それ言われたのが、高3の終わりくらいなんですよ。突然言われたんです。今までの僕、高校生の時の僕はドロップアウトしていたので、見た目もちょっとこわいっていう風に自分で思ってましたし、やってきたことも、そんないいことしてきた覚えはなかったので、優しいって言われることが、なんかすごい、なんで?なんで俺なの?みたいな、ちょっとすごい不思議に思っちゃって。それが凄い胸に刺さって、それでやっぱり、自分を変える、変えてみたいっていうか、普通になりたいなっていう風に思ったんですよ。はい。

一気に変わって。どうすれば周りの人から優しいっていわれるのかなとか、どうすれば周りの人を幸せにできるのかなって、思い始めたんです。気づかいみたいなことを、ちょっとやり始めて、そしたら、周りの人から、やればやるほど、どんどん評価されていったというか、それで最初は評価されるのを目的で、ちょっとやってたり、してたんですけど、気付いたら、あたりまえの、自然にやってて、卒業間近の時は、弱い人に寄り添うようになってたんです
卒業スピーチの時にも、言ったんですよね。優しいって言われて、びっくりしたと。そこで改めて、高校生のドロップアウトした僕はもういないんだなっていう風に思えたんです。逆にもう戻りたくないって強く思って。なんか、その、そういう、いい評価受ければ受けるほど、なんかその悪い時の自分から、遠のいていくので。

先生たちっていうのは常に生徒たちのこと、考えてるじゃないですか、僕もその時生徒だったのに、生徒のこと考えてたんですよ。だから、考えてることは先生たちとおんなじだったんですよ。

社会での実習

いずれは就職しなきゃいけないってのは、もう母からも父からもすごい聞いてて。でも、俺絶対就職できないなって、上手くいかないなって思ってたんですけど、教師っていう仕事もあるんだなって思って。ワークセンターの就労支援している先生に僕が相談したんですよ。S学園でやっている仕事に近いものを探してもらえませんかって。

デイサービスってものがあるって初めて知って。一か月間、実習して。そこで、女性のパートの人も、社員の人も、男性の社員の人もみんな、良くやってくれているって言って、このままうちで働いてほしいって。実習期間だったんで、実習終わったら、また戻るっていう流れだったんで。戻らないで、実習終わったらそのままうちで就職しちゃえばいいのにって、みんなが最後言ってくれて。

ユメ

言葉のキャッチボールができない子っているじゃないですか。これやって、って言っても、嫌だってというふうに、いう子っているじゃないですか。自信がないんですよ。自信を持ってほしい。自信を持つ、持たないということは、違うじゃないですか。自信がないと、前に進めないんですよ。僕自身、自信がなかったんで。生きることに対して、自信をなくしていたんで。仕事に対して自信をなくしていて、人間関係にも自信を無くしていたら、生きることに自信を無くしてるってことなんです。校長先生に言われたんです。君に欠けているのは自信だって。

自信、いや自覚だったかな。校長先生に言われたのは自覚だったかな、自覚だったと思います。障がいのある人って、支えられていることが多いんですけど、今の立場が分かっていない人が多いんです。周りに支えられていることを、一人一人が自覚することによって、感謝の気持ちが生まれるんです。でも自信がないと自覚も生まれないんです。

発達でも自閉でも、そうなるためには、誰かが間に立ってあげなくてはならないんです。その間に立つ人をやりたいんです。ですから、僕が関わる人には、自信というか、自覚を持ってもらいたいんです。

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