傾聴記録3:20代の女性に傾聴させていただきました

17歳で転機をむかえるまで。
自分は周囲に嫌われていると思っていた。

3歳ぐらいのとき父がとても厳しかったけれど、私自身も無鉄砲でしたから。
5歳ちやほやされていたと思います。特に友だちのお母さんといった大人に「可愛いね」と言われていました。
私はしっちゃかめっちゃかで、自由奔放・わがまま・空気が読めない子供でした。
自分は嫌なことをしたつもりはないのに周りが嫌がっている。自分は嫌なことした記憶がないんです。
中高時代は辛かった。いろいろあって不登校になりかけてって。でも親は行きなさい、と。父が厳しくて…
さぼっていると思われているみたいだったので、みんなからどんどん嫌われてると思っていました。まあ、同級生や家族にも嫌われかけていたし、自分の性格が悪かったのもあるので、今思えば仕方ないと思いますが。
母は、絶対嫌いにならないよといってくれたけど、嫌われているのでもいい、親と縁を切ってもいい家族と縁をきってもいいと思っていました。

カウンセラーが変わって変化のきざしが生まれた。そして大学へ。

17歳のときに、小児科としてはそれまでカウンセリングに通院していたところがあったんです。ですけど、いちおう小児科は18歳までということで17歳の夏に通っている大学病院にかわって、主治医とカウンセラーの方と会いました。そこで少し変わりました。少し気持ちがあがってきた。
それから大学ですね。18歳の時に一度は休学もしたけど休学している間も大学校の先生が遅れないように面談したりカウンセリングしてくれたりして。学校にもどって大学行って聖歌隊ってとこに入って。
歌はたのしいです。私は歌、下手なんですけど。
聖歌隊の人は個性豊かで、みんな優しい。
すごく理解を深めてくれる人とか、わかってくれる人がいてくれて、同期にも障害のこととか理解してくれて、嬉しかったです。
今は卒研も終わって卒業もして、訓練所で県立障害者リバビリテーションセンターにいっていて、いわゆる、障害者の人達用の職業訓練の場所で、そこに入れるかその訓練に適応できるか?今、合否待ちなんです。
まだ、入れるかどうかはわからない段階のですが自分としては入ってもいいかなとおもっています。ただ先生からは、大学の先生の紹介なんですが、担当者の人にはちょっと厳しいかもしれないよ?と言われてます。その相談もしているので、頼りになります。

周囲の人に恵まれている。それはそれで成長がとまってしまうことになるかも。進もうとするとスランプが来る。でも前に進みたい。

いい人に恵まれすぎてて、自分がだめになるかなってくらい。
自分ほんと褒められたりすると成長が止まっちゃうタイプなんで。これでいいや。と思ってしまうんです。自分で止めてしまう。もうこれくらいでいいやって。
でも上には上がいて・・・、そこで葛藤があって。
どっかでもう少し強くなりたい気持ちがあるけど、そうなると必ずスランプがきて、スランプがくるとやめちゃう。続けられない、過去にもずーと続けられた記憶がないんですよね・・・。でも自分ができてないことは先にすすめたいタイプなんです。

米津玄師が好き。自分を楽観視していない感じがあって共感できる…自分は伝えようとしても言葉がでない。だから絵や音楽という手段で伝える。

好きなミュージシャンはサカナクションです。あとはパプリカとか作曲している米津玄師さん。
言ってることとかがすごいなんか達観しているっていうか・・・
SNSで米津さんの言葉をみてこの人って生きてるっていうこと自体を修業にしている人だって。
生きてること自分の中でも苦しいから歌をかいてると思うんです。
決して自分を楽観的にはみていなくても、何かを伝えようという力はすごいんだって、この人すごいんだって。
メディアやニュースなんかでは、PVの絵、アニメもかけるしすごい繊細、歌もうまい、曲もすごい百年に一人の逸材といわれているけど、彼自身では多分自分のことを卑下してるんだと思うんです。おこがましいけど・・・何か自分と重なるんですよね。だから惹かれるんだと思います。
自分が言おうとしていることを言ってくれてると感じています。

私はたまに言えなくなっちゃぅてることがよくあって言葉が思いつかなくて何も言えない、だから話している時も時々だまっちゃうんです。
だから代わりに、自分が思ったことを、絵とか歌とかで伝えたりしているんです。
二次創作映画、ゲーム、漫画にでてくるキャラを描いたりしています。
二次元からきている漫画だったり、小説だったり。

相手を幸せにできる結婚がしたい。けどそんな相手がいたら逃げちゃうかも。

結婚して相手を幸せにできたらいいなと思っています。
誰かを幸せにしたい、自分も幸せになりたいけど、自分が幸せになるかつ相手も幸せにしたい自分の幸せが他人の幸せ、他人の幸せが自分の幸せみたいにしたいって。
好きなタイプは優しい人かな。本当にどういうところまで理解してくれてるのか、肩書きじゃなくってどういう考えを持っているのかとか、そういのをみはからって・・その人と私があうのか、この人の支えになりたいと思えるのか?深く知りたい。
優しいのは大事だけど、特にその人が生きることに対してどういう考えがあるのか。
簡潔に言うと、その人は自分に対して生きてのか?人に対していきるのか?それとも両方なのか?って。自分としては両方がいいんですが。

今とても好きなキャラがいて、理想としていてそういう人と結婚したいと思ってるんです。そのキャラは凄い強面なんですが・・・。
戦争ものの戦略戦RPGゲームのキャラで、見かけは怖いけど、優しくて。仲間思いですごくやさしい、見かけとは違うんです。
言葉の一つ一つがすごくいいんですよね。自分の仲間の悩みは自分の悩みでもある、自分は仲間がいるから戦えるとか、自分は臆病で弱いけど仲間がいるか戦えるとか言うんです。
この人達観している。やばい、こういう人がいいと。(笑)
でももしそういう人が現実にいたら、多分見守るだけになってしまうと思うんですけども(笑)
自分の理想の人があらわれたら、まだ隠れてしまうかもしれません。でも自分自身が理想とする人に自分がまずはそういう人になってから・・前向きに考えてみます。

これからしたいこと。自立、ちゃんと話せるようになること

まず、自立したいです。親がいなくても・・・私は特に母に頼ってしまうところがあるので。
母がいなくてもしっかりできる受け答えできるように、ちゃんと話せるように対応できる。
そうしないと社会で対応できないじゃないですか。話すことをすごく大切に思う。
自分の中で自立していくっていうのは、将来の夢のために自分が他人のためにどれだけ働けるっていうことなんですけど、これは大学の卒業式の時に言われて、自分の一人ひとり個性を他人にいかせるってことはとっても幸せなことだよと言ってくれました。だから、それを受けて生きることって大事なんだなとおもいます。

自分の言葉遣い等を分かり易くというのをモットーにしています。小さい子にお話しする時、どうしたらいいかなっておもうじゃないですか?
最近、そういうことがちゃんと言える父親、母親がすごいなって・・・。
特に母は今子ども食堂とかで子どもと関わってて、まぁ、20年以上母親をやっていたのもあるけれど、その子どもや親御さんたちとかに慕われてて、すごいなって思うんです。
あ、子ども食堂で思いついたんですけど、<夜回りネコ>っていう漫画を読んでるんです。八コマ漫画なんですが、特に好きな回があって、兄弟(お兄さん、小学生の弟)おばさんがいて家庭が不安定なんですけど、お兄さんは家事、弟はゲームやってるときに、おばさんがその弟に「お兄さんだけ働いてあなたは役に立たないじゃない」と言ったらお兄さんが、「弟はまだ(家事のやり方が)わからないだけなんだ。ゲームをやっているのは僕の邪魔しないようにしているだけなんだよ」って言う場面があって・・・。そういうのを読んで、いつしかこどもに食事の作り方とか教えて、食事つくれたりするように、子ども食堂の活動しようと思って私も時々は子ども食堂で手伝いをしています。

生きることへのこだわり。自殺して楽になれるとは思えない。

幼稚な人とかって悪口で死ねって言うと思うんですけど、高校時代、簡単に死ねとか、ひどいことをいう人がいてそういうのは好きじゃないんです。自分が悪いことしているって思わないのかなって。それをその人が他人にいうのを聞いているだけで辛くて休学につながったんですよね。そこまで言わなくても、と思いましたし。
確かにその人は悪いところはあったとしてもそんなに悪くいわなくてもいいんじゃないかって。もうちょっとこうすればいいのにねって言えばいい、そんな風に考えらえたらいいのに。
生きるってことをこだわりがある。私は死んで楽になれるとは思えない。
自殺して楽になれるとは思えない、めちゃくちゃ悔しいと思う。残された人がどう思うか?と思っただけで悔しい。だって自分の親戚とか、なくなったら悲しいじゃないですか。

傾聴を終えて

彼女の「生きる」という言葉がとても響きました。「誰もわかってくれない、自分は嫌われている」と思い込んでいた幼少期から、今は言葉を伝えよう、言葉が出ないなら音楽や絵で伝えようとするように変化してきました。「ちゃんと自立して言葉で受け答えできないと社会に対応できない」という言葉は社会の多くの人に伝えたい言葉だと思いました、
イベント会場ではお母様から離れられず、お母様に励まされながら傾聴を受けてくれた彼女でしたが、次回イベントでは自分からイベントを手伝いたいと言ってくれました。当日はお母様とではなく一人で会場に来て、様々な仕事を積極的に行ってくれました。自立へ向けて一歩ずつ歩んでいる姿を見て私たちもうれしくなり、ますます応援したいなと強く思いました。

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